2004年9月に来日したGONGZILLAの4thアルバム。 一貫した中心メンバーであるHonsford Rowe(b),Bon Lozaga(g),Benoit Moerlen(vib/marimba)は不変で、Gary Husband(ds),Phil Kester(per)を加えた5人編成。前作全面参加のDavid Fiucznski(g)は1曲のみのゲスト参加となっている。前作までの作曲は、中心3人がそれぞれ均等に単独曲を持ち寄っていたが、本作ではソロ小曲2曲を除いて3人の共作名義。基本線としての、フュージョン風味のテクニカル・ジャズ・ロックサウンドには変わりはないが、スピード感溢れる弾きまくり展開は控えめ。若干テンポを落とし気味にし、アンサンブル重視の渋い雰囲気が強くなっている。これ、ロック性重視の本来の私の趣味からすれば合わない方向性なのだが、結果的には1stや前作以上に引き込まれてしまった(2ndは未聴)。特筆すべきはBenoitの比重の高さで、ほとんどの曲で楽曲の基軸を打ち出している。これに対しRoweとLozagaを加えた楽曲の練り込みが十分に行われていることは感じられ、フレーズが相互に呼しつつ、展開していく妙味は従来作にはなかったものだ。期待値を大きく上回った好作。 <Rotters' Paper より転載>
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