てきや衆のセリウタとして、地域性豊かに独自の発達をとげてきた『バナちゃん節(バナナの叩き売り)』。この〈ウタ〉の、地域性を越えたグローバルな豊かさと、マージナルな地平から立ち上がる芸能としてのしたたかさ。本CDでは、この『バナちゃ節』の発祥の地・門司港に唄い継がれる口上を軸に、この〈ウタ〉が孕む芸能性を展望し、そこから派生した〈ウタ〉の広がりを見つめます。また、そのグローバル性を、同様に路上から立ち上がったレゲェとの融合という試みのなかで検証します。新しいアプローチで制作された『バナちゃん節』の、たいへん楽しいアルバムです。
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