サズ(微分音が特徴的な、トルコの弦楽器)とアコスティック・ギターと各々の歌という、2人だけの編成による、アコスティック・サイケ・ユニット、DOWNER ONE。 元々のメンバーのルーツが、チェンバー系プログレッシヴ・ロックやジャズ/フリー・ジャズなだけに、本作では多声的かつ、意表を突く編曲で、トラッド/童謡を、カヴァー。今回はマルチ・トラック録音で、曲によっては、ヴァイオリン、エレクトリック・サズ、ベース、パーカッションも使用。独特の多声的な編曲に、彩りを与えている。 童謡やトラッドナンバーを、従来の童謡リヴァイバル・ブームと違い、刺激的なアレンジ+アシッド・フォーク的アウトフィット(with 微分音)で、現代に甦らそうとする試み。それが今回のDowner Oneの目標である。 Strange Trad I&IIは、元々1枚のCDとして制作されていたが、 「あまりに高密度なので、2枚にわけることにした。(Chihiro S.談)」という事情で、新作2枚同時リリースということになった。事実、収録時間(各25分程)に関わらず、フル・アルバムを聴いたのと同様の充実感があることは、レーベル&バンドが保証している。 Strange Trad Iは、童謡中心だが、カヴァー曲以外に細田茂美 往年の大ヒット(?)“この世の終わり”を、ヴァイオリンやパーカッションをフィーチャーし、<箱庭的シンフォニック黙示録>というべき、ダルさと豪快さの同居したニュー・ヴァージョンで収録。
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