1. オプティカルウエーブ(6人の打楽器奏者のための) 松下功 マリンバ、ヴィブラフォーン、グロッケン、シロフォンを中心に、あふれ出る波のように神秘的な音がエネルギッシュにあふれ、広がる。
2. アフタ・ストゥーバ! マーク・フォード マリンバ曲にパーカッションセクションを付け加えたフォニックスのオリジナルバージョン。明るくメロディアスで、パーカッショニストとしても活躍するフォードの代表作のひとつ。
3.ケチャ 6人の打楽器奏者のための 西村朗 バリ島の民俗音楽をモチーフとしながらも、現代の感性に貫かれた、西村ワールドを代表する作品のひとつ。緊迫感漂うイントロダクションから豪雨を思わせるクライマックスに至るまで、同時代の静かな絶望感と激しさが感動的な現代パーカッション・アンサンブルの傑作。
4. セレブレーション&コラール 5〜7. ゲインズボロー ともによく知られたパーカッション・アンサンブルのレパートリーだが、上野&フォニックスの演奏によって、現代音楽の名曲としてよみがえった。
西村朗はこのCDの「ケチャ」についてつぎのような文章を寄稿しています。 曲のリズム要素は、インドネシアのバリ島の民俗芸能である「ケチャ」のリズム分析に基づいており、早いテンポでの16分音符単位の打点のずらしによる一種のリズム・ホケトゥスが、発声(チャッ・チャッ・チャッ)を伴う4人の奏者(ボンゴ・コンガ等)によって、全曲を通して奏される。その背後の2名の奏者は、ティンパニとチュ^ブラーベルズによって、一層劇的な対話を展開する。それは、ラーマーヤナの物語によるバリ島の舞踊劇をイメージしつつ作曲されたものである。 今回のこのCDの演奏は、若々しい活力がみなぎり、リズム奏はシャープでヴィヴィッドである。またテンポ設定も快速でさわやか。ティンパニとチューブラーベルズの対話も表情豊かで音楽的な妙味に富んでいる。秀演に対し感謝をささげたい。
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