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媒体
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CD
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1. Embrace
2. If I Could
3. An Ancient Voice
4. A Dream In A Day Away I
5. Reflected
6. A Dream In Aday Away II
7. Wandering
8. Cross-Fading Boundary
9. Blessing
10. Prologue To Heaven
11. Black Moon
12. Darkness Of...
13. Joni's Sky
14. Blindfolded
15. Final Letter
16. The Place
17. Epilogue To Heaven
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ジャンル
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Progressive Rock アバンギャルド アンビエント シンフォニック系 多重録音
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発売日
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2019 年
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収録枚数
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1 枚
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販売価格 (税込)
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\1,019
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収録曲数
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17 曲
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在庫切れ
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Comment
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シンフォニック・ロックに深く原点回帰したアクセプト。しかし、「ただのシンフォニックではない」と言うべきなのか。いやそれよりも、「シンフォニック・ロックとは、外形の様式美ではなくて、精神の深層に立つことのできる音楽なのだ」ということだろう。それを教えられた。 以前よりもずっと成熟したHisaoが、我が子を抱きしめ、そして空を見上げながら人類を抱きしめている。全身全霊を込めて歌っている。かつて彼は、人生の迷い子であり、孤独な放浪者だった。しかし今、我が子と歩む人生を得て、しっかりとした基盤を見出した。そこに立って、我が子を守護する立場となり、同時に多くの弱き者、かつて自分がそうだったような虐げられた者たちに対して愛情と共感を注ぐ。 「Taiji」の頃から懐胎し萌芽していた慈悲のような思いが、時を経て育ちつつある。音楽の中で、人々の悲しみ、怒りが歌われ、それがやがて清澄な優しさに包まれていく。どうしようもない矛盾や葛藤は収まりそうにもないが、それでもそうしたものを抱えたままで、慈雨に暖められ、雲海の中から差し込む光に包まれていく。 私は芸術家にとって大人になってしまわない方が良い場合も多いと思う。世俗のしがらみにまみれてしまうと、眼が濁り、感性が鈍磨する。精神の奥底まで潜り込んでいけるような透徹したまなざしを失ってしまう。 しかし彼の場合は、迷い子だった長い時代こそ昏迷だったのだ。その薄暗がりを抜けて、今は清明な大気の中で、更に感性を研ぎ澄ますことができているようだ。 今、ここにいてそのままで天上の至福だということを真に感じ取ることができるようになるまでには、どれほど辛い苦難の道をくぐり抜けなければならなかったかということを思う。本作ではヒサは、息子が見た「木の夢」に包まれていて、美しいジャケットにあるような幻想と、現実の地上に降る恵みの雨に清められているのではないだろうか。
組曲1「Earth」Tr1-6 歴史や社会を見渡しながら、自分自身の辿ってきた道も見つめている。 組曲2「Rain」 Tr7-9 雨への感謝。水がなければ生命は育まれない。気象としての雨というよりも、水の巡りを大気と自分の中に感じているのかもしれない。 組曲3「Heaven」Tr10-17 上の二つの組曲で「社会」「自然」を見渡し、この最後の組曲では、改めて自分の中の矛盾を見つめながらも、そのままで至福なのだという哲学が披露される。 (Kaijaku Jan,2019)
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